日々全力投球
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連載用の小説プロット練りながらの平行作業はホント危険です。
間に合ってよかった!!ヾ(*´∀`*)ノキャッキャ♪
本日は、坂田家長女(笑)視点でお送りいたします!!
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でも、やっぱりそうしたいネ!!!
独占禁止法
「―――――は、独占禁止法に触れるのではないかと―――・・・」
点けっ放しのTVは、つまらないニュースが流れてるネ。
ソファの上で胡坐を掻いて、面白い番組が始まらないかとクチャクチャと酢昆布を噛みながら待ってるアル。
それは別にイイネ。
それよりも気になるのは、最近良くニュースで流れてる『独占禁止法』アル。
ニュースなんて真面目に見ないから、説明されても良く分かんないヨ。
小難しい言葉ばっかり並べてるのも悪いネ!!!
そう思って、向かい側のソファで寝そべって何時もみたいにジャンプを読む銀ちゃんをチロリ。
何だかんだで、私よりも長く生きてる銀ちゃんは物知り。
きっと『独占禁止法』の事も知ってるネ。
でも、私は銀ちゃんじゃなくて別の人間を探す。
銀ちゃんに何か聞いたら、またウソばっか教えられるネ!
「ぅおーい~かぁぐらぁ~」
「何アルカ?」
「何キョロキョロしてんだー。食いもんはねぇぞー」
「知ってるネそんなこと!銀ちゃんがマダオだから何時も食料ブースネ!!」
「それを言うなら食料不足な、食料不足」
「細かい男は嫌われるネ。新八に捨てられるヨロシ」
「おぃいぃいいぃぃぃい!何さらっと恐い事言ってくれちゃってんの!?この胃拡張娘ぇぇえええぇえ!!」
ガバァ!って勢いで起き上がった銀ちゃんを無視して、少しだけ空いてた和室の襖の向こうに目的の人物を見つけてソファの上に立つ。
そのままひょいっと銀ちゃんが転がるソファを飛び越えて、和室に向かった。
「新八ぃいぃいいぃぃい!」
「ぅえ!?な、何?神楽ちゃん」
スパーン!っと襖を開けると、洗濯物を畳んでた。
行き成りの事で吃驚したのか、大きな黒い瞳がパチパチと瞬く。
次の洗濯物を取ろうとした姿勢のまま動きは止まっている。
つまり・・・膝の上には何も無いネ。
ササッと、畳まれた洗濯物を重ねている位置を確認して、トンっと軽く畳を蹴る。
滑るように飛んだ私の身体は、着地点を間違う事無くポスンと新八の膝の上に乗った。
勿論!新八が痛い思いしないように十分気を付けてるネ!!当然ヨ!!!
「どうしたの?」
突然の私の行動に新八は怒らなかったネ。
怒らないどころか、向かい合わせで膝に乗った私が後ろに転がらないようにと思ったのか、左手で背中を支えて右手でフワフワと優しく頭を撫でてくれる。
何時もは少し見上げないといけない顔も、膝に乗ってるか同じ高さ。
それに気付いてイヒッと笑うと、新八もふんわりと笑い返してくれたネ!
嬉しくなって、新八の肩に置いてた手を首の後ろに回してぎゅっと抱き付く。
ふんふんって定春みたいに鼻を利かせると、イイ匂い。
石鹸と、お日様の匂い・・・。
「甘えたさんだね、今日の神楽ちゃんは」
耳元で、クスクス笑いながら新八がそう言った。
普段なら馬鹿にすんなヨ!とか言ったりするけど、今日は言わない。
だって、頭を撫でる手と背中をポンポンってリズム良く叩いてくれる手が優しいネ。
それを振り解くなんて勿体無いこと出来ないアル!!
「それで、どうしたの?何かあった?」
「あ、そうアル。新八に聞きたい事あったネ」
「聞きたい事?」
どうして和室に飛び込んだか思い出して顔を上げれば、新八は私と目を合わせながらコトリと首を傾げた。
この新八の仕草は、実は私も銀ちゃんも大のお気に入り。
他のヤツ等もそうなのを知ってるから、ちょっと複雑ネ。
「独占禁止法って何アルカ?」
「独占禁止法?急にどうしたの?」
「最近ニュースでよく言ってるネ」
そのままの事を伝えると、新八もそのニュースを見てたのかあぁっと小さく頷いた。
「えーっとねぇ・・・簡単に言っちゃうと、独り占めは駄目ですよーって法律で決ってるって事」
「どうして独り占めしちゃ駄目ネ?独り占めの方がお得ヨ」
「まぁ、それはそうなんだけどね。例えばね・・・神楽ちゃん酢昆布好きでしょ?」
「大好きネ!」
「その酢昆布を、ものすごぉくお金持ちの人が全部のお店から買っちゃったらどうする?何処に行っても酢昆布が無い位に」
「私食べられないネ!一大事ヨ!!ソイツぶっ飛ばして来るアル!!!」
「例えばの話だから!誰もそんな事してないから!!」
新八の言葉に慌てて立ち上がると、新八も同じ位慌てて私の服を掴んだ。
何だ、違うアルカと思いながら、再び新八の膝の上に戻る。
新八は大きな溜息を吐いて、さっきと同じように頭を撫でて背中を支えてくれた。
「とにかく・・・独占禁止法って言うのは、独り占めしちゃうと他の人が困りますから駄目ですよーって言う事なの」
こんな説明でゴメンね?っと、苦笑いの新八にフルフルと首を振って見せた。
新八は何時だって私が聞いた事に一生懸命分かり易く説明出来るようにって考えてくれる。
ずっと前に、面倒臭くないアルカ?嫌じゃないアルカ?って新八に聞いた事があった。
そしたら新八は、やっぱりふんわりと柔らかい笑顔で、面倒なんかじゃないよ。嫌なんて思った事ないよと言ってくれた。
どうしてネ?って聞いたら、神楽ちゃんが知らない事を知ったら、神楽ちゃんの世界が広くなるでしょ?広がった世界は、きっと楽しいからね。と、頭を撫でてくれた。
どうしてか無性に泣きたくなって、新八にぎゅうぎゅうって抱きついて顔を隠した記憶はきっと・・・違うネ。
絶対に失くさないし忘れないネ!!
そう言えば、新八をもう一人のマミィだって思うようになったのはこれが決定打だった気がするヨ。
「よく分かったアル。やっぱり新八に聞いて正解ネ!銀ちゃんに聞いたらまたウソ教えられたヨ!!」
「もー本当にしょうがないなぁあの人は」
「だから銀ちゃんはマダオって言うアル」
「うぉーいオメェ等~そう言う事は銀さんが居ない時に言うもんじゃね?」
つうか!居なくてもそう言う事言うんじゃありません!!って、銀ちゃんがずかずかと和室に入って来た。
せっかくマミィとの楽しい時間を過ごしてたって言うのに!邪魔ネ!!
銀ちゃんを睨みつけようと顔を上げた時、新八の何処か悪戯っぽい笑顔が見えた。
あ・・・もしかして・・・。
新八が考えてる事が分かってにやんと笑うと、小さく頷き合って銀ちゃんを見上げる。
「「銀さん(ちゃん)居たアルカ(んですか)」」
二人で声を揃えてそう言うと、銀ちゃんが中途半端な姿勢で固まったネ!
ざまぁみろアル!!!
「ちょぉおおぉおおお!何!?今の何!?幻聴!?」
「いえ、幻聴じゃないですよ?よかったですね、耳に異常なくて」
「そうネ。銀ちゃんの存在自体が異常でも、耳は異常ないアル」
「おぃいいぃいぃいい!抉られるんですけど!?半端なく銀さんのハート抉られんですけどぉおおぉお!!ってか!お前等何してんの!?銀さん除け者にして何やってんの!?」
やっと動き出したかと思うとぎゃいぎゃい喚く銀ちゃん。煩いネ。
新八と一緒にきょとんとして、それから視線を合わせるとまたぴとっと抱き付く。
そのままの姿勢でニヤッと銀ちゃんを見れば、悔しそうに拳を握ってた。
「神楽ちゃんが『独占禁止法』って何か教えて欲しいって」
「銀ちゃんに聞いたらまたウソ教えられるから、新八に聞いたネ。私一番イイ選択したアル」
「あーそうかいそうかい。んで、分かったのか?神楽」
「勿論ネ!新八の説明は宇宙一ヨ!!」
「いやいや、そんな大それたもんじゃないから」
私の言葉に苦笑った新八。でも、細められた目は嬉しそうだったネ。
「ふーん?じゃあよ、神楽」
「何アルカ?」
「俺に説明してみ?」
そう言ってニヤニヤ笑う銀ちゃんに、カチンっとなる。
コイツ!私がちゃんと分かってないと思ってるアルカ!!
「独占禁止法は、独り占めしちゃダメって事ネ!独り占めは悪い事って言う法律アル!!」
「おーすげぇすげぇ正解」
自信満々で答えてやると、銀ちゃんはひょいって片眉を上げた。
ふふん!新八の説明を聞いたから当然ネ!!
「んじゃあ神楽ぁ。そこ退けぇ」
「何でどかなきゃいけないアルカ?」
「あぁ?そんなん独占禁止法発令だからに決ってるじゃねぇか。新八独り占めしてんだろうがオメェ」
にやんっと笑って銀ちゃんが近付いて来る。
しまったぁあぁああぁぁあ!この男!!その為に私に意味を言わせたアルカ!?
「嫌アル!マミィの膝は娘の為にあるネ!」
「ちっげぇよ!奥さんの膝は旦那様に膝枕する為にあるんですぅ!!ってか羨まし過ぎるからマジ退け!!!」
「いーやーアールー!」
「のーけー!」
銀ちゃんが強制的に下ろそうと、脇に手を入れて持ち上げようとする。
それに抵抗する為に、ぎゅっと新八に抱き付く腕に力を込めた。
「ちょっと!何急に喧嘩始めてるんですか!!神楽ちゃん!それ以上締められた僕死ぬから!!銀さんも大人気無い事しないで下さい!!!」
「銀ちゃんが悪いネ!」
「ばっか!お前だろうが神楽!!ゴルァア!!!」
ぎゃんぎゃん喚く私と銀ちゃんに、新八から『二人とも晩御飯抜きにしますよ!』と、最強の呪文を唱えられるまで後十秒・・・。
独り占めしちゃダメって法律があるけど、マミィは独り占めしたいネ!
後書き
神楽ちゃん視点難しい・・・il||li _| ̄|○ il||li
最初はこうやって甘えられる事に驚いてた新八だけど、もう慣れたようです(笑)
坂田さん家の父娘は本当に奥さん&マミィ大好きです。
新八居なくなった父娘はとんでもない事になると、結構真剣に思ってます(爆)